椎間板ヘルニアの原因
普段から注意をしていれば、十分防ぐことができる病状…椎間板ヘルニアは、専門医からよくそういうふうに言われます。しかし、私たちは一体日常生活のどのようなことを注意したらいいのでしょうか。ここでは、椎間板ヘルニアを引き起こす様々な原因を考えてみたいと思います。
まず椎間板ヘルニアの原因として、加齢(老化現象)が挙げられます。
椎間板(軟骨)は、背骨と背骨の間のクッションの役割を果たしています。そして椎間板は年齢を重ねていくと、徐々に弾力性が失われていきます。そして、椎間板にちょっとした衝撃が走るだけで、繊維輪(椎間板を覆う膜)にヒビが入る⇒椎間板内部の髄核が飛び出してしまい、神経(脊髄)を圧迫=つまり、椎間板ヘルニアを発症してしまうのです。
加齢による老化は、誰も避けられることはできません。しかし、加齢を遅らせることはできます。つまり、加齢によって起こる症状=椎間板ヘルニアを防ぐことができるわけです。
その加齢を遅らせる症状として、カルシウムをしっかり補給することが挙げられます。みなさんも「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」という病名を、耳にしたことがあると思います。加齢+カルシウム不足⇒骨の密度が弱くなり、ほんの小さな衝撃で骨折・骨が砕けたりする症状です。つまり椎間板も同じように、小さな衝撃で潰れてしまい神経を圧迫する可能性が増えるわけです。こうした体質にならないためにも、しっかりカルシウム補給をしなければなりません。
また椎間板ヘルニアの原因として、日常生活における何気ない行動・気付かない癖も挙げられます。私たちは日常生活の中で、「これくらいのことは何も問題ない」…つまり無意識に行っている動作が、たくさんあります。そして、その動作が椎間板ヘルニアの原因になっていることを知らないだけなのです。
例えば「中腰の状態で、重たい荷物を持ち上げようとする」…不自然な状態で、急に力を加えることで椎間板ヘルニアを発症する原因になります(長時間、同じ姿勢を保つことも同様です)。
また何気ない癖として、普段の姿勢も椎間板ヘルニアを発症する原因になり得ます。猫背・身体がどちらか一方に歪んでいる…癖として起こる悪い姿勢の継続が、背骨・骨盤のズレを起こす⇒酷い状態になれば「変形」を引き起こす⇒椎間板ヘルニアを発症する原因になるわけです(身体の歪みは、大きな悪循環を及ぼします)。
このように「加齢」「日常生活の問題(癖)」という症状に表れにくい原因が、長い年月を掛けて椎間板ヘルニアに起因しているのです。私たちはこうした現状を踏まえた上で、しっかり椎間板ヘルニアに対して「原因&予防」を心掛ける必要があります。