骨盤ケアと椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアを予防するためには骨盤矯正などの骨盤ケアも積極的に行った方がいいのでしょうか?
椎間板ヘルニアによる、腰痛や坐骨神経痛がすでに起こっている場合。
あなたの背骨や脊椎の椎間板はすでに変形したりつぶれたりして、骨の中にある神経を圧迫しています。
すでに、飛び出た椎間板により神経の圧迫がある場合は、圧迫している部分を取り除くか、元の位置に戻す、あるいは元の形に回復させるなどの具体的な処置を行う必要があります。
しかし「自分は椎間板ヘルニアだ」と思っている方の中には、椎間板ヘルニアではなく、骨盤の変形がもとで痛みが出ている場合があります。
骨盤の変形によって起きた筋肉のこわばりによって、筋肉が脊柱を変形させており、その結果、神経が圧迫されて腰痛が起こっている…というケースが見られるのです。
そのような場合は、骨盤を本来の形に正す骨盤矯正は、非常に有効なアプローチになります。
では、骨盤は、どうしてゆがむのでしょうか?
骨盤は、骨盤の中にある、「仙腸関節」という部位がズレたときにゆがみます。
人間の骨盤は、3つの骨でできています。真ん中が「仙骨」、それを包むようにある象の耳のような形の左右の骨が「腸骨」。
その3つの骨をつなぐ関節が「仙腸関節」です。仙腸関節は、扇で言えば要(かなめ)の部分。腰は「体の要」と書きますが、仙腸関節は、「要の中の要」とも言える部位と言うことになります。
人は毎日の活動の中で、じつは知らず知らずのうちに仙腸関節に負荷をかけています。
体内の内蔵は、立ったときに、全て骨盤の上に乗っかる形になっていますが、右側には最大の臓器、肝臓があります。立っている間は、肝臓が常に仙腸関節の右側に圧力をかけていることになりますので、少しずつですが、仙腸関節の右側が狂います。
右側の骨盤が狂うと、骨盤が若干上に引っ張り上げられてしまいます。すると今度は反対に左の骨盤が後方にねじりあげられる形に狂います。
と、こういう風に、日常生活の中で、気づかないうちに体に狂いが生じ、それを放っておくと、骨盤のおおきなゆがみと筋肉のこわばりを招き、長期的に見た際に、椎間板ヘルニアを招くこともありえるのです。
このような、骨のゆがみからくる腰痛に対して、骨盤矯正で予防するのは有効でしょう。
ただし、仙腸関節は、頑丈な靭帯で守られた部位。短時間の手技で動くわけがない、という医者も少なくありません。また、先に述べたように、すでにヘルニアが起き、症状が深刻化している際には、もっと直接的な対処が必要です。
自分の症状に合わせて、適切なクリニックで相談するのが良いでしょう。