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椎間板ヘルニアとブロック注射(その副作用)

椎間板ヘルニアを発症してしまい、激痛にうなされる日々…そのような状況に陥ってしまった場合、一時的な治療法として痛みを緩和させるブロック注射があります。
そもそもブロック注射は、神経圧迫による痛みを緩和させるための注射です。脊髄を覆う膜(=硬膜)と黄色靭帯の間に、数m(ミリ)の隙間があります(=硬膜外腔)。そこに局所麻酔を注入し、神経をブロックする治療法です。そしてブロック注射には、2種類の方法があります。1つは「腰部硬膜外ブロック」、そしてもう1つが「仙骨部硬膜外ブロック」です。

○腰部硬膜外ブロック…背中をエビのように丸くさせます。そして、背骨と背骨の間にブロック針を注入させます。薬液は、通常:局所麻酔薬ですが、場合によってステロイド剤を使用します。万が一注射針が硬膜を貫いてしまえば、その場所から髄液が漏れ出す可能性も…髄液にバイ菌が混じれば、髄膜炎を発症する場合もあります(髄膜炎=発熱・嘔吐・激しい頭痛を伴います)。そのような病状を引き起こさないためにも、施術者の手技(腕・技術)が物を言います。しっかりした専門医がいる治療院で、受診されることをお勧め致します。
○仙骨部硬膜外ブロック…うつ伏せに寝ころび、お尻の部分に枕を置きます(お尻が突き出た格好)。そのお尻の割れ目の高い部分に、ブロック針を注入させます。薬剤は、局所麻酔薬を使用します。腰部硬膜外ブロックに比べ仙骨部硬膜外ブロックは、硬膜を貫くといったことはないと思います。そういう意味において、非常に安心できるブロック注射かもしれません。万が一仙骨部硬膜外ブロックで頭痛などを発症した場合…考えられる原因として、局所麻酔薬による急性薬物中毒の可能性が高いと思います。

「通常、腰に刺す注射は痛い」と言いますが、ブロック注射はあらかじめ痛み止めを注射してから行うため、ほとんど痛みを発症することもありません。硬膜外ブロックをする際の注意点として…当日の入浴は避けてください(シャワー程度)。そして硬膜外ブロック注射後、絶対に運動をすることは控えてください…何故なら、合併症を引き起こす場合があるからです。
また硬膜外ブロックをする患者様に対しては、硬膜外ブロックが可能かどうかしっかり検査しなくてはなりません。心臓病・脳血管障害・アレルギー体質などの発症例がある患者様に対しては、硬膜外ブロックをお断りしています(合併症を引き起こし、重篤な症状が考えられるため…)。そのような状況を踏まえて、硬膜外ブロックの長所・短所は紙一重かもしれません。そして何度も言いますが、硬膜外ブロックは一時的に痛みを抑える注射だということを脳裏に留めておいてください。くれぐれも専門医と密に話し合ってから、硬膜外ブロックの有無を決めるべきだと思います。