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新たな治療選択肢/腰椎椎間板ヘルニア治療薬:KTP-001

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腰椎椎間板ヘルニアの画期的な治療薬「KTP-001」が、発表されました。
KTP-001は、山梨大学大学院:波呂浩孝教授/横浜市立みなと赤十字病院:小森博達副院長の発明に基づき、一般財団法人化学及血清療法研究所:理事長/宮本誠二氏が共同開発(創製)した薬剤です。

いったいKTP-001は、難攻不落の腰椎椎間板ヘルニアにどのような画期的な効果をもたらすのでしょうか。

私たちの体内には、ヘルニアを自然退縮させる酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)があります。

KTP-001はマトリックスメタロプロテアーゼと同じ構造を持つタンパク質のことであり、KTP-001を直接椎間板に注入することによってヘルニアの退縮を早める効果があるのです。

さらにKTP-001の優れた効果として…
○同じ構造を持つ酵素だから、アレルギー反応(副作用)といったリスクを軽減することができる。
○手術の代替治療法として期待されている(注射をするだけなので、入院をする必要性が無くなる)。
○(当然)腰椎椎間板ヘルニアを発症した患者さんの身体的負担を軽減することができる。

今後の方針として、KTP-001は日本だけでなくアメリカにおいても臨床試験を実施することが考えられています(海外ライセンス企業の検討)。

このように腰椎椎間板ヘルニアの治療薬は、劇的に変化を遂げているのです。

そして、早くKTP-001が治療薬として使われるようになることを願っています。

腰痛で休養:東北楽天ゴールデンイーグルス星野仙一監督

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2014年5月27日、東北楽天ゴールデンイーグルスの星野仙一監督が「腰痛で休養」することを発表しました。
実は前日、星野監督は東京都内の病院で腰痛検査を受け、腰椎椎間板ヘルニアと胸椎黄色靱帯骨化症(きょうついおうしょくじんたいこっかしょう)を併発していると診断されたのです。

椎間板ヘルニアの症状は誰もがご存知だと思いますが(軟骨が神経系を圧迫)、ここで胸椎黄色靱帯骨化症(難病指定)ついて触れてみたいと思います。

胸椎黄色靱帯骨化症は星野監督だけでなく、巨人:越智大祐投手/ソフトバンク:大隣憲司投手も発症している病気です。
「胸椎黄色靱帯骨化症…背骨を縦につなぐ黄色靱帯が、骨のように硬くなり脊髄(神経)を圧迫する病気で、足のシビレ/感覚麻痺に陥り歩行困難を伴う病状。」

確かに最近の星野監督はベンチ内でも座っていることが多く、動こうとしなかったように感じます(実際は動けない)。

ちなみに難病指定されている胸椎黄色靱帯骨化症ですが、薬物治療/骨化した部分の切除手術をすることによって(その後のリハビリが必要)、病状を緩和することができます。

事実、星野監督を含め越智大祐投手/大隣憲司投手も復帰を果たしています。

しかし何故、プロ野球選手が胸椎黄色靱帯骨化症を発症してしまうのでしょうか。

実は胸椎黄色靱帯骨化症は、野球の投球で左右不均衡に体を曲げることの多い投手に発症しやすいとされているのです。

どちらにせよ腰椎椎間板ヘルニアと胸椎黄色靱帯骨化症を併発した状況を考えれば、想像を絶する痛みだったと思います。

ある意味、プロ野球選手という類まれな身体に恵まれていたからこそ、克服することができたのかもしれません。