椎間板ヘルニア治療
椎間板ヘルニアの症状は、大まかに3つの病期に分類することができます(急性期-慢性期-回復期)。ここでは、それぞれの病期に対して行う保存療法(薬物療法)を中心に説明したいと思います。
急性期の場合…椎間板ヘルニアを発症してすぐの病期を指します。急性期の特徴として、とにかく激痛を発症しやすいということです。一番の治療方法は、何といっても安静です。つまり腕を動かさないことが、最大の治療方法だと言えます。その他の治療方法の選択肢として、内服薬/座薬/筋弛緩剤/ステロイド剤などの鎮静剤・仙骨硬膜外ブロック/選択的神経ブロック/椎間板内ステロイドなどの注射があります。
(ここで注射について…)
・仙骨硬膜外ブロック…腰に走っている脊髄の後ろ(仙骨部=お尻の部分)に局所麻酔注射を行います。それによって、下半身の痛み・緊張を抑えることができます。また、仙骨硬膜外ブロックは合併症を発症することも少なく、比較的安定性のある神経ブロック注射だと言えます。
・選択的神経ブロック…痛みを発症する細い神経繊維だけをブロックする注射を言います。痛みによる悪循環だけをブロックするという意味において、根本的治療と言えるかもしれません。
・椎間板内ステロイド…字の如く、椎間板内にステロイド剤を注射し痛みを抑えます。椎間板内ステロイドはブロック注射と異なり、椎間板内に針を刺すため個人差を生じます(差し込みやすさ)。
注射の痛みに関しては、個人差があるため判断しづらい状況にあります。
そして薬物療法・注射以外に…コルセットを装着することも、急性期の治療方法として挙げられます。次に慢性期の場合…慢性期は、腕がある程度動かせる状態を指します(=我慢できる痛み)。慢性期に腕を動かす治療を行わなければ、回復期になっても腕が動かせなくなると言っても過言ではありません。とにかく運動療法に力を注ぐべきです=腕をしっかり振るウォーキング・筋をゆっくり伸ばすストレッチ・筋力回復訓練・水中ウォーキング…この時期に腕をしっかり動かすことが、椎間板ヘルニアを完治させるための決め手となります。
最後に回復期…腕には全く痛みも感じません。慢性期にしっかり腕を動かしていれば、回復期もそのまま継続してください。そうすれば、椎間板ヘルニアは必ず完治します。
また先ほど述べましたが、椎間板ヘルニアにおけるブロック注射は一時的な痛みを抑制するに過ぎません。できれば、急性期~慢性期にかけて痛みと上手く付き合いながらも、整体院・カイロプラクティックといった専門治療院で、身体を調整しながら椎間板ヘルニアを完治させるべきだと思います。とにかく椎間板ヘルニアの治療には、根気と努力が必要です。