椎間板ヘルニアは遺伝?…骨格とヘルニアの関連
椎間板ヘルニアは、老化などの体の変化によって椎間板がつぶれたり、出っ張ったりした際に、骨が神経を圧迫して痛んでしまう症状。
椎間板は、使えば使うほど変形しますし、安静にしても、年齢とともに劣化しますので、年齢を重ねればそれだけ椎間板ヘルニアのリスクが高まることになります。
でも、同じ年齢でも、椎間板ヘルニアになる人もいればならない人もいます。
また、同じスポーツをしていても、椎間板ヘルニアを患っている方と、全く大丈夫な方とがいますよね。
どれだけ激しいトレーニングをしても椎間板ヘルニアにならない方もいる。
逆に、ちょっとしたことで腰を傷めてしまう人もいる。
この差はなんでしょうか?
よく、「うちは腰痛家系だからー」などという人や、親が椎間板ヘルニアだから自分もなってしまった!という方がいます。椎間板ヘルニアは、遺伝するということでしょうか?
人間の体型は様々ですが、それを決定するのは遺伝子。
背が高い人や低い人。骨太でがっちりした人やきゃしゃな人。手足が長い人や短い人。
このように、人は個々に遺伝子によって決められた体の特徴を持っています。
同じように、人間の骨、とくに骨の中身にも個性があります。
同じような太さに見える骨でも、中の脊柱管の広さは異なるのです。
神経は、骨の中の空間、脊柱管の中を通っているのですが、この神経の通路の前側は椎間板でできており、後ろ側は骨の壁になっています。
この後ろ側の骨が、生まれつき椎間板に寄っていたり、そもそも、脊柱管の中が狭かったりする方は、そうでない方に比べて、椎間板ヘルニアになりやすいのは確かです。
また、骨と神経の間には、黄色靭帯という靭帯がありますが、この靭帯は、加齢によって肥厚していきます。
もともと神経の通路が狭い方は、加齢によりさらに狭くなりますので、その分痛みを引き起こしやすくなるのです。
これとは逆に、もともと脊柱管や神経の通路が生まれつき広い人は、加齢などで椎間板がヘルニアを起こしても、神経を刺激するにはいたらないため、痛みなどの影響が出にくい、というわけです。
もちろん、生活習慣やケアなどにより、椎間板ヘルニアを予防することも悪化させることもありますから、一概には言えません。
ですが、とくに骨格や体質が親と似ているという方は、同じくらいの年齢で、似たような病気・疾患を招くことが少なくありません。親が椎間板ヘルニア持ちだ、という方は、今は大丈夫でも、チェックしてみるといいかもしれません。